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渥美清的映画
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男はつらいよ 寅次郎夢枕

松竹/98分/1972年(昭47)12月29日公開 <第10作>
原作 山田洋次 脚本 山田洋次
朝間義隆
監督 山田洋次
撮影 高羽哲夫 音楽 山本直純 美術 佐藤公信
共演-倍賞千恵子・松村達雄・三崎千恵子・前田吟・太宰久雄・笠智衆
ゲスト-八千草薫・米倉斉加年・田中絹代・津坂匡章
併映『舞妓はんだよ 全員集合!!』監督:渡辺祐介 出演:ザ・ドリフターズ
動員数211万1000人/ロケ地・長野県奈良井

第28回毎日映画コンクール・監督賞/山田洋次
第1回文化庁優秀映画
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★「男はつらいよ」シリーズ第10作目。

10作目にして初めて寅の恋が成就しそうになる。
この回のタイトルバックの主題歌は今までのとは異なり、少し歌声にエコーが付加されたいる。多分新録音なのではないだろうか。

冒頭、とらやの玄関でさくらの友達の嫁入りシーンがある。今回の八千草薫演ずるお千代がさくらの幼馴染なのでその伏線でもあるのだろうが、このお嫁さん、実は佐藤蛾次郎の新婚の奥さんだとの事。山田洋次は役者としての蛾次郎を高く買っていたようで、粋なはからいである。

不動産屋での一騒動があって再び寅はとらやに帰ってくるのだが、本人は改心して仕事に打ち込み身を固めようとする。今までもこのようなシチュエーションはあった訳だが、とらやの人々や御前様までが何の疑いもなく信じてしまうのは少し違和感があった。

この回は米倉斉加年演ずる東大の助教授と、寅とのやり取りが抱腹絶倒の面白さだ。
フーテンの寅がインテリ教授をからかうのは痛快だ。
お千代とさくらやをからかう寅は実に活き活きとしている。蛾次郎がいつも寅とお千代の間にいるので、観客は安心して二人の仲を見ていられる。

本作のクライマックス、池の公園での二人のやり取りは絶品。お互いの勘違いからお千代の告白を聞いてしまう寅の、腰を抜かしてしまうリアクションも素晴らしい。観客としては歯がゆい限りだがここで寅が身を固めてしまったら「男はつらいよ」は終わってしまうのだから我慢、我慢。
ラストのとらやの団欒でのお千代の言葉を、妹のさくらのみが得心するのも良いシーンだ。

日本の失われていく田園風景や、夕暮れの明かりの漏れた通りで遊ぶ子供達など
エキストラを丁寧に配置して蒸気機関車の走る姿を遠景に写し出す、その丁寧な画面作りは
この映画が松竹のドル箱シリーズとして定着して、予算と製作日数に余裕があるからこその賜物だろう。



<参考文献「知られざる渥美清」大下栄治「おかしな男渥美清」小林信彦>

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